森一峻

代表取締役 : 森 一峻

誕生日:1984年10月8日
居住地:長崎県東彼杵町
出身地:長崎県東彼杵町
学歴:高卒
役職:代表取締役
担当業務:経営・マネジメント
結婚歴:既婚
子供:いる
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地元東彼杵町へUターンし、現在は東彼杵町を中心に長崎県の地域のコーディネーターとして地域住民と連携した地域・文化づくりに取り組んでいる。
地域交流拠点「Sorrisoriso千綿第三瀬戸米倉庫・くじらの髭・uminoわ」を中心に、周辺の古民家をリノベーションした店舗や拠点づくりをサポート。
株式会社森商店、代表取締役・一般社団法人 東彼杵ひとこともの公社 代表理事を務める。

町民の取り組みをサポートするアシスタントディレクター

長崎県東彼杵町で、地域活性化のための創造的な戦略推進に尽力すべく、事業やトークセッション、 各地域の商工会や地域の振興委員会に参加するなど幅広い活動をしている”地域のアシスタントディレクター”がいる。 弊社代表取締役であり、一般社団法人 東彼杵ひとこともの公社の代表理事をつとめる森一峻さんだ。

森「東彼杵町には、”面白い”活動や取り組みをしている人がたくさんいます。しかし、自身で伝えることを控える方が多いため、そのようなキーパーソンをサポートするために 発信のお手伝いをしています。”地域のパシり”とも言えますね(笑)」

そんなキーパーソンをサポートするために生みだしたのが、東彼杵の情報WEBサイト『くじらの髭』や、千綿農協第三米倉庫をリノベーションして作った町外の人と地域住民が交流できる『Sorriso riso千綿第三瀬戸米倉庫(ソリッソ・リッソ)』である。

コンビニエンス本社で経営を学び、地元に戻り独立

佐世保市の東翔高校を卒業後、セブンイレブン・ジャパンへ入社。久留米や大分の店舗で 店長として働き経営を学んだ。そして、アシスタントフィールドカウンセラーやオペレーションフィールドカウンセラーという職名の経営指導員の仕事を経て23歳で自分の店舗を開業。その4年後には父の店も受け継いだ。しかし、受け継いだ店の契約更新が難しいとの通達がくる。この出来事が、現在の活動を始めたきっかけとなった。

森「コンビニも成り立たないような所で、個人事業の生業のお店が成り立ったら面白いだろうなと思いました。町ごと自分で変えるのは無理だろうけど、お店のアシスタントなどをして何かできればいいなと。そうなるためにはどうすれば良いか。結局、マーケット自体が潤っていないから自分の店も厳しい状況なんだ、ということでマーケットの育成をするべく行動に移しました」
”町のため”というより、”自分自身のピンチ”から始まった壮大な計画。自身の問題をピンチ として提起し、解決するために動くことでチャンスへと変えていった。

森「体を動かしてみて、面白そうと思ったところに人は集まると考えました。そして、イベントだと一過性のものなので、継続性のあるものにしたいと。また、町を作るのは難しいから、町民に営みを続けていってもらうことで、そこに価値を作りだしたい」
そうして、自営する人たちにとって何かのきっかけとなる場所を作りたいという思いからできたのが、『Sorriso riso』である。「人を集めるのではなくて、集う」ということを念頭に置いたからこそ見えた”新しい集会所”としての形。そこで、やりたい人がやりたいプロジェクトを実行できるようになればと願う。将来的には”次世代公民館”を目指しているそうだ。

そして、東彼杵町を知る新たなインターネットの顔となった『くじらの髭』。はじめはボランティアで記事を作る事に限界を感じていたそうだが、今ではプロのライターに頼んで本格的な記事作りを強化した。最近は、閲覧者が増えて自然派性型となり、取材を行うことも増えている。Sorriso risoというハードと、くじらの髭というソフトをそれぞれ手に入れた後は、双方向で町のブランドを上げていく。

森「エリアとしての魅力は上げ続けたいので、これからも頑張っていきたいです。まずは、観光から始まって、それが発展して関係人口から、最終的には定住人口にもなりえる」

老若男女が利用できる東彼杵町版ウーバーイーツ

価値や、魅力を作ることが仕事。それらが形になり、目に見えるようになっていくことや、一緒にやってきたメンバーからやってきてよかったと言われることにやりがいに感じると森さんは語る。

森「2020年の活動では、コロナの影響で売り上げが落ちた飲食店や、割烹料理屋さんや居酒屋、飲食店の皆さんの弁当を” 彼杵版ウーバーイーツ”通称、「くじらたより」と称したチラシを配り、注文を受けて配達代行をしました。代行 といっても老若男女様々な人がいるため、若い人からはLINEで注文を受け、年配の人からはチラシなどの紙で注文を受ける仕組みにしました。また、年配の飲食業者は、どう発信していけば 良いかわからない方も多くいらっしゃるので、デジタルとアナログを繋ぐ架け橋になれればと思って活動しました」

段々と気温が高くなると、配達では衛生的に問題が生じてくるため、第二弾は”くじらかわら版”と 称し、注文した商品を直接各お店へ受け取りに行くシステムへ変更した。売り上げ自体はたいして上がったわけではない。しかし、弁当を作っている人達は「予想以上に注文が来た」と 大変喜んでくれたそうだ。このような価値や魅力、またそれらを伝える場所や手段・仕組みづくりに今日もあちらこちらへと出向く。
森「常に意識していることは、皆さんにコンセプトを持ってもらうこと。私が就職したときは、漠然と将来は経営者になるとしか考えていませんでした。しかし、それは目標の過程であって、最終的にどういうビジネスをやりたいかという目的、すなわちコンセプトが大事だと気付きました。もしそれに早く気づいていたら、もっと面白い事ができたのでしょうが」

そんな森さんは、現在の活動自体が趣味になっているという。楽しく活動し、それが地域課題の解決に繋がるのであれば、それは人にとっても町にとってもメリットとなる。趣味のように楽しく活動している。それが続けられる何よりの秘訣なのだろう。かつては鯨産業で栄えていた東彼杵町。自然が豊かなこの地で、森さんをはじめとする様々な方が地域の発展のために活動している。この町には、これからもさらなる発展の可能性を秘めているように感じた。